ときどはなぜ毎回勝てるのかを考察する 研究と心理戦

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ときど、また優勝

今朝出勤前にギリギリ決勝戦を見ることができたのですが、
カナダカップで、ときどがシャオハイを破って、また優勝しました。

よい気分で自宅を出ることができました(笑)

それにしても、なぜ毎回ここまで勝てるのでしょうか。

運の要素も少なからずあるはずです。
事実これまでも、ルーザーズからの優勝がほとんどだと思います。

その秘密を考察してみました。

いきなり結論

トップが勝てる秘密、それは外からは見えません。

昔買ったウメハラの著書に書いてありました。
最初に買った本だったと思うので、多分これです。

また、野球のイチローがよく言われるように、

だれでもできる練習を、だれもできないくらいやって、
細部を積み重ねて、ようやく見えてくるものがある、

そういうことなのかもしれません。

しかしそれでは話が終わってしまうので、無理やり続けます。

そもそもLP1000程度しかない私が、
なぜときどの勝てる秘密を考察しようと思ったのか。

それは現在100期目のタイトルをうかがおうとしている、
将棋の羽生名人の全盛期をずっと見てきたからです。

「羽生マジック」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

明らかに不利な局面からでも、最後は結局勝ってしまいます。

私の将棋の実力はスト5ほどは弱くありませんが、
それでもしょせんアマチュアで、羽生名人の将棋を分析できるほどでは到底ありません。

しかし、過去に言われてきたことや、自分が感じたことを参考にして、
それと比較しながら、ときどの勝てる秘密を探ってみるのも面白いと思いました。

外から見えるトッププロの特徴

羽生名人の将棋において、見れば誰でもわかる特徴がひとつあります。

それは金や銀といった、周りに1マスしか動けない駒を、辺境の地で使うことです。

辺境といっても、その時点では最前線の戦場なのですが、
いずれは中央や玉の周辺の地点が重要になってきます。

飛車や角であれば、すぐにそれらの地点に利かせることができるのですが、
金や銀であれば、打った時点でそれっきりになってしまうことが多いので、
普通は選択から外れます。

しかし羽生名人は、躊躇なくそれらの手を選択してきました。
打った地点周辺は「羽生ゾーン」と呼ばれていました。

その場限りに見える手が、全体に影響を及ぼすと判断していたのだと思います。

ときどの場合の誰でも分かる特徴ですが、
意外と対空精度が低いことがあげられます。

めくりジャンプを結構落とすのを見るので、うまいのだと思っていました。

しかし何かのイベントで、各選手のデータが採られたことがありました。
そこで分かったことは、ときどの対空精度は最低で、
ジャンプ攻撃に対してはほとんどガードで凌いでいるとのことでした。

誰でもと言っておいて分かっていなかった自分ですが、
よく見れば、外からでも分かることでした。

まちゃぼーとは対照的です。
あれこそ見れば誰でも分かるほどに、
ジャンプ攻撃は必ずと言っていいほど落としています。

必ずしも上手い下手というのではなく、意識配分という概念があって、
どれを重視するかが選手のスタイルを作ることになります。

ときどの強さの秘密、とは少し違う話になってしまったようです。

研究と心理戦

将棋における研究とは、
こう行けばどう来るか、こう来ればどう行くかを、
事前に考えておくことです。

変化は無限なので、相手の過去の対戦内容を参考にします。

この相手なら、こう行けばこう来るだろう、それならどう行くか、
このような感じです。

格闘ゲームでも同様なのだと思います。
ときどの著書、「東大卒プロゲーマー」で読みました。
勝つために一番有効な手段が、対戦相手の過去の動画を見ることであると。

また同様、両者に存在する概念に、心理戦というものがあります。

相手の心の動きを読むことによって、セオリーに反する手段であっても、
それを選択するという戦い方です。

将棋の場合、心理戦に持ち込むのは、自分が不利な状況においてのみです。

優勢の場合は自然に進めれば勝てるので、普通はずっと互角の形勢が続きます。
一旦形勢を崩したら、もう相手のミスを誘わない限り勝てません。

格ゲーの場合、有利であれ不利であれ、
ミスを誘うというより、相手の動きを読むことが重要なのだと思います。
彼我の形勢やこれまでの流れで、相手はどう考えどう動くのか。

ときどはこの点に長けているのかもしれません。

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将棋における心理戦

プロの棋士のタイプを、理論派と実践派に分類してみると、
より実績を上げてきたと思われるのは、実践派となります。

事前に定跡を研究し尽くすという学究肌のタイプは、
タイトルとあまり縁がありませんでした。

大山名人のライバルだった山田道美が典型だと思います。
対振り飛車の急戦定跡で足跡を残しましたが、大山名人の壁は厚かったのです。

無冠で終わった棋士もいました。

あ、まだ現役だからそう言ってはまずいですね。
Mさんはあれだけチャンスがあったのだから、一つくらいはタイトルを獲っておくべきでした。
Aの実力はそこそこでしたが、タイトル戦に登場すらできませんでした。

一般にもよく知られている、加藤一二三もそのタイプだと思います。
タイトルはそこそこ獲りましたが、もっと獲ってもよかったはずの大棋士でした。

将棋の内容はライバルに勝るとも劣らないとの評価でしたが、
星はそれほど集まりませんでした。

逆転勝ちがほとんどなかったのです。
一方、ライバルの米長邦雄は逆転力がありました。

通算タイトル獲得数は、加藤8期、米長19期。
まあ、米長のライバルは中原誠名人なのでしょうが。

そういえば、大山名人と升田幸三の実績の差もひどかったです。
升田7期、大山80期。

羽生名人は通算100期が近いので、比較するライバルを挙げられません。

逆転力というのは相手の心理を読んでミスを誘う力と言えるので、
心理戦の比重はかなり大きいと思います。

将棋における研究

将棋における研究の力を感じたこともあります。

森内俊之名人は、一時期は羽生名人と互角に戦えるライバルでした。

過去に羽生名人が、タイトル戦で初のストレート負けを喫した相手が森内名人でした。

これだけ強い森内名人でしたが、実績では羽生名人に遠く及びませんでした。
羽生名人は一部の棋士を除いて、誰にでも大きく勝ち越していましたが、
森内名人は誰にでも五分だったせいでしょう。

森内名人は研究重視タイプの棋士だと思います。

事前研究が生きる先手番では、無類の強さを誇っていました。
羽生名人に先んじて永世名人資格者になるとは思いませんでした。

格ゲーにおける研究

格ゲーに関して思い浮かんだのは、
先日、といっても少し経ちますが、
「獣道」のウメハラときど戦です。

ウメハラの周到な用意が見て取れるものでした。
感動的ですらありました。
まさかあれほどまでにときどを圧倒するとは。

ときど ウメハラ戦

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ときども、たまに決勝戦で負けることがあります。
MenaRD、Problem X、sako、
先日はビッグバードにも負けていましたか?

大会で優勝しようと思ったら、ときどの研究は欠かせないはずです。
その研究がはまれば、ときどが負けることもあるでしょう。
もちろん決勝に行くまでが一番大変だとは思いますが。

将棋のタイトルは防衛して一人前とも言われますが、
実績を残そうと思うなら1回勝つだけではいけないので、
大変だと思います。

優勝は偉業には違いありませんが、
それだけではときどのライバルとは認められないでしょう。
ナマイキ言ってすみません。

格ゲーにおける心理戦

格ゲー観戦で興奮するのは、星の数で追い込まれながらも、
そこから逆転していくシーンを見ることです。

今回のカナダカップにおいて、シャオハイはルーザーズから決勝に進出し、
ときどをリセットに追い込み、あわやというところまで行きました。

EVOジャパンだったと思いますが、インフィルはそれで優勝まで行きました。

それこそ、ときどのEVO2017優勝が、一番の好例ですね。

追い込まれているはずなのに勝てるようになるのは、
相手の心を読んで、自分の動きを変えているからのはずです。

理論を超えた戦い、
それを見るのが、とても面白いです。

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ときど使用のアケコン

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