ジョジョ6部の私の評価
スタンドが出てくるようになってから、一番好きなのが6部です。
一番の魅力は、悪役のプッチ神父のキャラクターです。
ジョジョのボスは6部以降を含めても、あまり魅力を感じません。
1部のディオはよかったですね。
2部のカーズはせこく汚いことをしたのでガッカリしました。
3部のDIOは、人に車を暴走させるシーンで幻滅しました。小者っぽいふるまいです。
6部にも出てきましたが、人類が天国へ行く方法など考えるような人物とは思えません。
4部、5部のボスはキャラクターにも不満がありますが、作品の中盤から登場した点が共通しています。
ボスを象徴とする悪との対立を描いているという感じがしませんでした。
6部を一番評価するのは、一貫してプッチ神父という悪との対立を描いているという点です。
また彼のキャラクターも素晴らしいです。
5部以前のボスはただ自己中心的なだけのキャラクターで、もの足りないところがあります。
しかしプッチ神父は、自分を正義だと思っているのです。
「わたしが間違った道を歩まぬよう見守っていて下さい」
最終巻の冒頭のシーンで、プッチ神父は神にこう祈っています。
この狂いっぷりには笑ってしまいました。
ジョジョ6部の結末の評価点
思い切ったラストだと思いました。
作者のどこかのインタビューで「ジョジョでは未来を描くつもりはない」というのを見たような気がします。
作中年代である2011 – 2012年は連載時点での近未来だったので、あるいはシリーズを完結させるつもりだったのかもしれません。
ただあのラストを、構想の段階から考えていたとは思えません。
かなり悲しいラストなので、当初から構想して執筆にとりかかるというのは、少しきついと思います。
過去にも設定の変更がありました。
ゴールド・エクスペリエンスの能力や、アナスイの性別などです。
しかし6部のラストは、軌道修正なんてものではありませんね。
ラストを当初の予定から変更したとのコメントは聞いたことがありませんが、おそらくそうだと思います。
最終17巻の冒頭の作者コメントに、それを感じました。
今読み返してみると、「作者の意に反して」とか「描かざるを得ない」とありました。
作者は説明がムズかしいといっていますが、なんとなく通じました。
昔読んだ将棋の本で、「正解手は分かったが、なぜその手を選んだのかは説明できない」という解説がありました。
あれに近い感じではないかと思っています。
賛否両論あるようですが、私はあのラストが正解だったと信じます。
ジョジョ6部の結末の不満点
最大の不満点は、プッチの攻撃を受けた時点の承太郎やジョリーンが、死んだように見えないことです。
そのせいで感動が大きく削がれました。
いつ生き返るのかということばかり考えていました。
ジャンプ黄金期では毎週誰かが死ぬ、あるいは生き返るということが続いていたので、頭を割られたくらいでは死んだことにはならないのです。
本当に死んだと思わせる演出のサンプルが、以下の作品です。
全身を何か所も刺し貫かれて次回へ続くという引きですが、その次回も延々とそれが続きます。
最期に『ジーザス・グレイテスト・フラッシュ』(?正確には覚えていません)とかいう大仰なネーミングの大技を放ちます。
そして最後のページで顔の大アップとともに、「ここに死す」と但し書きを入れています。
いずれも丸々1ページ使っています。
脇役ですら、ここまでやって本当に死んだことになるのです。
もうひとつ、不満というほどではないのですが、要望です。
エンポリオがディスクから得たウェザーの能力でプッチを倒しましたが、ジョリーンの能力であった方がより感動できたのではないでしょうか。
自分を犠牲にしたのは本編でも同様ですが、能力を託したためにやられたという方が無念さが際立ったと思います。
ジョジョ7部以降も気になる
1部、2部は雑誌連載で読んでいて、とても好きでした。
バトルよりストーリーがどう進んでいくかを楽しんでいました。
バトルの比重は、1部くらいが一番バランスがいいと思っています。
3部からはバトルがほとんど全てで、スタンドのアイデアの面白さを楽しむような漫画になってしまいました。
「3部以降はジョジョではない」などと思っていましたが、今となっては3部より前はジョジョではないという人の方が多いかもしれません。
しかし作者もスタンドのアイデアを出すだけでは飽きてくるのでしょう。
色々な試みを取り入れていることを感じますし、部が進むにつれて作品の完成度も上がってきていると思います。
それが必ずしも人気に反映するわけではないようですが。
今のところピークは6部ですが、7部以降はそれほどしっかり読んではいません。
絵が変わってしまって、7部以降もうまいのですが、6部以前のほうが好みです。
昔からですが、雑誌で読んでも意味がわからないことが多いです。
7部以降も機会があれば、単行本で通しで読んでみたいです。
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