将棋の得意戦法の見つけ方は この4原則を参照されたし!
「積極性、攻撃型、マイペース、やる人が少ない、これが得意戦法選びの4原則である。」
『公望流メリケン向飛車戦法』(絶版)からの引用です。
私が一番得意としている戦法でもあります。
居飛車党に転向してしまったので使用頻度は下がりましたが、相手が居飛車党と分かっていれば今でも迷わず使います。
居飛車で得意戦法を見つけるにあたっても、この4原則を参考にしました。
私が居飛車でよく指している戦法は以下のとおりです。
棒銀(対振り飛車)
藤森流急戦矢倉
横歩取り△4五角戦法、△8五飛戦法
4原則からは外れますが、右玉も最近は指しています。
得意戦法選定4原則と私の得意戦法の解説の中で、将棋に対する考え方などを語っていきたいと思います。
メリケン向かい飛車とは その威力を暴露!
将棋得意戦法4原則(積極性・攻撃型・マイペース・やる人が少ない)とは、自分より強い相手に勝つための条件でもあります。
じっくり組み合っては地力の差が現れて、格上には手も足も出なくなってしまいます。自分から早いうちに動いていってリードを奪い、先行逃げ切りの体勢を築くことでしか格上に勝つすべはありません。
私の棋力はせいぜい三段、その中でも下の方だと思います。四段(県代表)には2割も勝てません。
そんな私でも大会では、四段五段を幾度となく負かしてきました。勝率5割くらいの感覚があります。
『公望流メリケン向飛車戦法』は本筋の指し方を示しているので、四段相手に指すとたいてい本で解説している形となります。本筋というかこちらの動きがシンプルなので、居飛車側の手段も限られるという感じです。そのため覚えることがとても少なくてすみます。このことは大きな魅力でした。
そして激しい変化になれば、早く優位を確保することができます。それは考えることに楽しみが多くなるということにも繋がりました。
『升田式石田流』も得意戦法選定の候補によく挙がっています。実際それで強くなった人も多いはずです。
しかし升田幸三の本をざっと流し読みした限りでは、激しい変化が乏しいように感じました。そういう局面ではどう指しても大きく不利にはなりませんが、有利になることもありません。
一言で面白味がないということになります。(私の読み込みが足りないだけかもしれません。)
『メリケン向かい飛車』も相手の出方によっては、膠着状態となる定跡もあります。しかし相手が飛車交換に応じたり、位を狙ってきたりすれば、もう流れの加速が止まらなくなります。
そういう局面をじっくり考えることが楽しく、また上達につながったのだと思います。
メリケン向かい飛車の対策は色々言われていますが、納得の行くものはありませんでした。振り飛車側が本のとおりに指さずに、居飛車有利の変化を示しているものもありました。それでは対策とは言えないでしょう。
居飛車が△7四歩と仕掛けた時点で居飛車よしとしている解説も見たことがあります。確かにそうなのかもしれませんが、そのような解説に意味があるのでしょうか。初手▲7六歩で先手よしと言うようなもの、と言っては言いすぎですが…
昔『世紀末四間飛車』という本がありました。互角の局面でも振り飛車良しの結論を出していたので、当時のある全国クラスの強豪が「あまりにも楽天的」と言っていたことを覚えています。
アマには理解できないくらいの差なのかもしれないとその時は思いました。しかし後年読んだ米長邦雄の本で、「この変化で振り飛車よしというのは本当なのだろうか」と書かれていました。
そもそもメリケンは先手番の戦法なので、簡単に不利になるというのは胡散臭いと思っています。
私が考える対策というか、やられてイヤな手段を明かします。
それは左美濃に組んだ後、△6五歩と角交換を迫る変化です。
この変化は自陣に大駒を打ち込まれるスキができるので、金を左へ上がったことが生きません。また相手の玉が固いので、攻め合いが苦しくなります。
メリケンを得意戦法として選ぶことは、大いにオススメできます。
本当に四段五段に勝てますよ。
菅井流やんちゃ振り飛車 得意戦法としてオススメ!
現在NHK将棋講座で放映中!
『やんちゃ振り飛車』と将来の名人、菅井竜也さんを盛り上げていきましょう!
メリケンは絶版になって久しいですし、古本も高騰しています。さんざん持ち上げておいてなんですが、今さらメリケンでもないかなという思いもあります。
時代は菅井竜也、そして『やんちゃ振り飛車』です!若い人を応援したいという気持ちもありますし、内容的にも面白いと思っています。
藤森流急戦矢倉 その威力と魅力とは?
米長流急戦矢倉の改良です。この戦法も「得意戦法選定4原則」に合致しています。じっくり相矢倉に組むのは上級者になってからにしましょう。
いや上級者が指しても急戦矢倉は面白いはずです。大技小技、歩の手筋、あざやかな寄せなどがとても気持ちよく、将棋の醍醐味を味わえること請け合いです。
横歩取り△4五角戦法と△8五飛戦法 羽生名人の(元)得意戦法!
最近は△4五角戦法ですが、それまでは長く△8五飛戦法を指していました。
相手がどう組もうが中原囲いに組んで5筋7筋の歩を突いていけばよい、というこれ以上ないシンプルさが魅力です。あまり本を読まずに指していました。
数年前に県外から大会荒らしにやって来たクソガキを、△8五飛戦法で負かしてやった時は痛快でした。地力ではすでに相手が上回っていると思っていただけに。
将棋やるガキってかわいげがないんですよね。本当は大人が悪いと分かってはいるのですが…。
将棋さえやれば礼儀が身につくというのはウソっぱちで、礼儀は礼儀できちんと教えるべきなのです。指導者が出来損ないだから、将棋さえ強ければそれでよいというクソガキが増えるのでしょう。
ちなみにそのクソガキは、今奨励会の初段でがんばっているようです。
△4五角戦法に転向した理由は、全て覚えても知れているという変化の狭い定跡に魅力を感じたからです。激しい変化をほとんど網羅できる戦法というのは、これくらいのものでしょう。
狭いと言っても、アヤが全く無いわけではないと思います。▲3六香には△同角と取る人が多いようですが、私はそこで△同角とは取らずに△6六銀と打っています。
定跡を早々と外れる人も多く、そうなるとまず有利になるはずなので、考えることが楽しくなります。それも魅力の一つです。
対振り飛車の棒銀 加藤一二三や羽生善治の得意戦法!
対振り飛車の棒銀の魅力は、相手の形に依存せず成立するという点です。▲4五歩早仕掛けは相手の銀の位置が4三、鷺宮定跡は3二でなければ成立しません。
『羽生の頭脳』では相手の形に応じて使い分ければ攻めの幅が広がる、みたいなことを書いていましたが、色々覚えるのは面倒くさいと思いました。
それよりも相手の形がどうであろうと、同じ形一本槍で行ける棒銀に魅力を感じました。
実は現在は棒銀はたまにしか指していません。対中飛車や向かい飛車も含めて、全く我流の急戦を仕掛けています。
最近思うのですが、やはり我流はよくないですね。何かテキストがあるとか、参考にできるような上級者の棋譜が多くある戦法を選ぶべきでしょう。
我流だと自分の枠からなかなか抜けられません。テキストなり上級者の棋譜を参考にして、言わばどれだけ今の自分を否定できるかが上達のポイントなのでしょう。
棒銀はテキストも棋譜も多くあるので、オススメの戦法です。私も対振り飛車の棒銀に関しては、相当勉強しました。
向かい飛車対策は、飛車先を伸ばすのを保留しておくだけで十分です。相手が飛車を振ってから伸ばせばよいのです。
中飛車に対しては▲5八金右の急戦が面白いと思っています。
将棋初心者にオススメの戦法その他 攻め方を覚えよう!
ゴキゲン中飛車や筋違い角が面白そうだと思っています。
横歩取り△4五角の定跡で2八と打つところで3八へ打つ、△3八角戦法?の方にも興味があります。△4五角戦法より「四原則」の条件を、より満たしているかもしれません。自分で研究する楽しみもあるでしょう。
いずれにしても奇襲戦法の類から見つけたほうが、身につきやすく面白く、そして勝ちやすいと思います。
右四間飛車もよいでしょう。私にとってやられて一番イヤな戦法です。相手が居飛車でも振り飛車でも使えるという点も魅力です。
そういう意味では棒銀もよいと思います。対振り飛車でしか指すことはありませんでしたが、相居飛車戦でも試していきます。
棒銀は奇襲とは言えない、本格的な戦法です。
コメント