グーグル製ソフト「AlphaZero(アルファゼロ)」の将棋の棋譜が100局公開されました。
適当に並べてみたところ、長手数の棋譜ばかりでした。
手数が2桁の棋譜は、たった1局しかありませんでした(!)
内容も面白かったので紹介します。
先手:elmo
後手:AlphaZero▲7六歩 △3二金 ▲2六歩 △8四歩 ▲7七角 △8五歩
▲2五歩 △3四歩 ▲6八銀 △7七角不成▲同 銀 △2二銀
▲6八玉 △3三銀 ▲3八銀 △6二銀 ▲7八金 △7四歩
▲4六歩 △4二玉 ▲4七銀 △9四歩 ▲3六歩 △9五歩
▲3七桂 △6四歩 ▲3五歩 △同 歩 ▲4五桂 △2二銀
▲2四歩 △3七角 ▲2三歩成 △2八角成 ▲1五角 △3一玉
▲3二と △同 玉 ▲3四歩 △5一金 ▲3三金 △4一玉
▲2二金 △1四歩 ▲3二金 △5二玉 ▲5一角成 △同 玉
▲3三歩成 △同 桂 ▲同 金 △2五角 ▲5八銀 △2九飛
▲7九金 △2七馬 ▲7八玉 △6一玉 ▲5六桂 △4九馬
▲6四桂 △6三銀 ▲4九銀 △6四銀 ▲6三金 △7三金
▲同 金 △同 銀 ▲5三桂不成△6二玉 ▲6三銀 △同 玉
▲1八角 △3六角 ▲2九角 △8六桂 ▲同 歩 △6九銀
▲同 金 △8七金 ▲6八玉 △6九角成 ▲同 玉 △2二飛
▲5四銀 △同 玉 ▲4五角
まで87手で先手の勝ち
elmoの勝率は1割ですが、これは数少ない勝ち将棋です。
読みに無い手で狭く激しい変化に引き込めばチャンスがあるというのは、ソフトにおいても同様のようです。
またそういう将棋は、見ていて面白いです。
この将棋は強さも伝わってくるものです。
入玉模様の将棋ばかりでつまらないと思っていたのですが、この将棋は面白いです。
29手目 ▲4五桂
▲3五歩、△同歩、▲4五桂。
この仕掛けには驚きました。
私が角換わりでよくやっている仕掛けだからです。
他の人が指しているのを見て覚えたのですが、本には載っていない手です。
それをまさか人間よりはるかに強いソフトが指すとは思いませんでした。
私がこの仕掛けを使うのは、相手が居玉で、銀が6三にいる場合だけです。
3三の銀が4四へ逃げた後、飛車先の歩を交換します。
そして相手が2三へ歩を打ったら、飛車を切って桂を5三へ成るのです。
そうすると、この局面になります。
勝ったり負けたりですが、攻めに専念するしかないので、
良くも悪くも迷いなく指せるところが気に入っています。
elmoの仕掛けはこれより条件が悪いように思えるのですが、さてどうなるのでしょう。
35手目 ▲1五角
この手が強いです。
と金を精算しては、明らかに攻めが切れてしまいます。
人間も参考にできる手だと思いました。
45手目 ▲3二金
指されてみれば必然と分かるのですが、この手も読めませんでした。
△同玉と取ると、▲3三歩成、△4一玉、▲4三と、△1五歩、▲3二銀のような感じになるのでしょうか。
59手目 ▲5六桂
「4枚の攻めは切れない」といいますが、少し心もとない寄せに見えるので、これも人間が指すのは難しいでしょう。
しかしこの局面もこのくらいしか考えられません。
形勢をどのように評価しているのでしょうか。
65手目 ▲6三金
桂を銀に取らせて、上から押さえました。
この手順も参考になります。
しかし玉がどんどん逃げていたらどうなっていたのでしょう。
73手目 ▲1八角
69手目の▲5三桂不成あたりでまた不安になったのですが、銀を捨てて王手飛車をかけました。
柔軟な指し方です。
87手目 ▲4五角(投了図)
後手が寄りもないのに駒をこちらに渡すのは不自然だと思いましたが、もうあきらめていたのでしょう。
こういう棋譜であれば、ソフト同士の対局でも見ていて楽しめると思いました。
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