鬼滅の刃の人気が留まるところを知りません。
近日発売の単行本20巻で、累計発行部数が6000万部(電子版含む)を突破するそうです。
そして初版は実に280万部!
昔では考えられない数字です。以前プロジェクトXで『ベルサイユのばら』が紹介された時、「累計発行部数」が100万部と知って驚きました。
あまりの少なさに、です。
発表当時の感覚では多かったのでしょうが、私が見た頃には累計1億部という作品もチラホラ出ていたので。
累計の部数自体は並ぶ作品はいくつかあるのですが、その伸びのスピードが尋常でないハイペースで他に例がありません。それに関して書いていこうと思います。
『鬼滅の刃』のリアルな評判
去年の終わりころ、職場の同僚が「鬼滅の刃がメチャメチャ面白い」というようなことを話していました。
普段は漫画の話題などほとんどしないので、よほど人気があるのかと思いました。
当時私は内容をほとんど知らなかったので、「敵の眼の中に漢字が書いてあるのが死ぬほど怖い」みたいな感じで話を合わせていました。
あとアニメの話でいつも思うことは「よく夜中に見られるね」です。
録画しているのかもしれませんが、私はそこまでして見る気もないので。
人気作品だから話題に上ったのでしょうが、真の人気が爆発するのはこれからで、それがこの時期だったのでしょう。アニメの終了は2019年9月でした。
そして翌年出席した新年会でも話題に上り、女の子まで見ていることが分かりました。この頃には巷で「社会現象」という言葉も使われるようになり、ローソンの景品が先着から予約になったというようなニュースも聞きました。
漫画の発行部数が話題になったのは、ほんの最近のことです。
『鬼滅の刃』の累計発行部数推移
2019年 4月 500万部(アニメ放映開始)
9月 1200万部(アニメ放映終了)
12月 2500万部
2020年 2月 4000万部
5月 6000万部
アニメの効果は明白ですが、それ以降の伸び幅の方が大きいですね。
『鬼滅の刃』がアニメ終了後も原作漫画の人気が伸びる理由を考える
おそらくアニメを見てその続きを見たくなった人が増え、そして内容や売れ行きの評判を聞きつけた人を引き付けたのでしょう。
最初にアニメを見たのは、紅白歌合戦で主題歌の背景で映像が流れたときでした。見たとは言えないかもしれませんが、絵の描き込みや動きの綺麗さは伝わりました。
このクオリティが原作本の売れ行きにつながったのでしょう。しかしその原作も内容がしっかりしていなければ、アニメ終了とともに人気も収束するはずです。導線はアニメだったのかもしれませんが、それによって原作漫画が正当な評価を得られるようになったのです。
アニメ終了で原作漫画が沈むというのは、昔のジャンプアニメでは多くありました。内容が悪いというより、原作とリアルタイムで制作されるためストーリーのピークがアニメと重なってしまうのです。あるいはアニメの打ち切りで、原作漫画が過小評価されるということもあったのかもしれません。
最近のアニメは夜中にしかやらないのでほとんど見ないのですが、しっかりと作り込まれていると感じます。
その最たるものは絵です。
昔のアニメは回によってクオリティがまちまちでした。凄腕アニメーターが担当の回は極端に絵が綺麗になったりしていました。今ステイホームの一環でYouTubeで昔のアニメが色々見られるようですが、例えば『聖闘士星矢』のシャカの回が該当します。
そもそもアニメというものは、動かすために絵の質を抑えるのが当然のように思われていたような気もします。
それが最近は、原作以上の画力で描き込まれた絵を動かせるようになっているのです。
特に動きの多いアクションものはアニメの質が分かりやすいのですが、『鬼滅の刃』はすばらしいと思いました。
原作は最終回が近いともいわれていますが、アニメが再開されれば人気は盛り返すことでしょう。そしてその人気は、完結するまで続くと思います。
『鬼滅の刃』の感想
一口では伝えられませんが、簡潔に。
敵役の鬼たちにも、それぞれドラマがあるのがいいですね。
鬼は悪者ではなく、悲しいものとして描かれているのです。
最初に印象的に残ったのが、兄と妹の鬼たちの兄妹愛のエピソードでした。
鬼は元は人間だったのです。鬼に変えられても(良くも悪くも)人間性は残っているのです。
幹部ナンバー3の鬼も、主人公より深い背景を背負っていました。見入ってしまいます。
幹部ナンバーワンの鬼のエピソードが、20巻に収録されます。
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『北斗の拳』の主人公の兄が悪役で、「兄より優れた弟などいねえ」という迷言で知られています。今回の鬼滅20巻の敵も、弟にコンプレックスを持つキャラクターなのですが、もっと悲惨なのです。
弟より強くなるために鬼となったのですが、目が六つあるバケモノになってしまいました。これが怖くて怖くて…よく子供が読めるのかと思うほどです。
主人公のセリフで一番印象に残っているものがあります。記憶ですがおよそこのような感じです。
先の幹部№3の鬼との戦いで、「弱いの者が淘汰されるのが自然の摂理だ」と言われ、このように返すのです。
「生まれたときは誰もが弱く、一人では生きていけない」
「弱い者を強い者が守る。そして強くなった者が、また弱い者を守る。それが自然の摂理だ。」
よく言われる漫画の名言といわれるものに感じ入ることはないのですが、これには心が動きました。
原作では最後の敵を倒したところなのですが、その敵が滅んでいく中での口上も印象に残っています。漫画でありながら文学性を感じます。
漫画本の初版最高部数作品名は?
『鬼滅の刃』の280万部で記録更新かと思ったのですが、それならそうと言うはずですよね。
気になったので調べてみました。
初版発行部数歴代1位は
『ONE PIECE』67巻の405万部! でした。
2位の『進撃の巨人』13巻の275万部を引き離してダントツの数字ですね。
『鬼滅の刃』20巻は歴代2位には着けそうですが、ワンピースの数字はちょっとやそっとでは更新できないでしょう。405万部って、掲載誌のジャンプですらそんなに売れてないだろう?しかも初版…
調べるにあたって、初版100万部どころか200万部の作品が結構あると知ってびっくりしました。結構どころか二ケタ台…
あと累計1億部っていうのも、誤解を恐れず言えば気持ち悪いと思っていました。ここは中国やインドじゃないんだよって感じで(笑)
『鬼滅の刃』もこのペースならば、たとえ今完結したとしても累計一億部に届くやもしれません。
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最後にまとめ
売れているのが近年の作品に偏っているのは、内容がすべてではないと思っています。
広告流通宣伝の発達が大きいのではないでしょうか。
事実、『鬼滅の刃』の人気が爆発したのは、アニメ放映がきっかけとなったことは明らかですし。
他にもまだ陽の当たらない名作が隠れているのかもしれませんね。
追記:ありました!名作かどうかは知らんけど、陽は当たりました。
マンガ図書館見たら連ちゃんパパが鬼滅みたいになってる pic.twitter.com/g7t8q47Z1p
— 杉田悠 (@sugita_u) May 12, 2020
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