アルファゼロ棋譜鑑賞 横歩取りその3


グーグル製将棋ソフト『AlphaZero(アルファゼロ)』の棋譜が100局公開されました。

200手超えの棋譜がかなりありました。
とりあえずそれ以下の手数で、横歩取りの棋譜をまとめました。

アルファゼロ将棋棋譜まとめ 横歩取り200手以下のみ全8局

これから見ていきます。

私の棋力は三段程度です。
間違っているところがあれば、コメント欄から教えて下さい。

それではよろしくお願いします。

戦型:横歩取り
先手:AlphaZero
後手:elmo

*棋戦詳細:
* 「AlphaZero」vs「elmo」
▲7八金 △3四歩 ▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △3二金
▲2五歩 △8五歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △3三角 ▲5八玉 △2二銀
▲3六歩 △4二玉 ▲3七桂 △6二銀 ▲3八銀 △2三金
▲3五飛 △2四金 ▲6五飛 △5一金 ▲9六歩 △3二玉
▲9七桂 △2七歩 ▲2九歩 △8八角成 ▲同 銀 △4四角
▲8七歩 △8二飛 ▲8五飛 △8四歩 ▲8六飛 △3三桂
▲1六歩 △1四歩 ▲7五歩 △5四歩 ▲7七銀 △4二金
▲4六角 △3四金 ▲3五歩 △2四金 ▲2七銀 △5三角
▲7六飛 △4四角 ▲3六銀 △5五角 ▲6六銀 △4六角
▲同 歩 △9四歩 ▲4八金 △2三銀 ▲7四歩 △同 歩
▲同 飛 △7三銀 ▲7六飛 △9五歩 ▲同 歩 △9二飛
▲8六飛 △8二飛 ▲6五銀 △3四歩 ▲同 歩 △同 銀
▲3五歩 △2三銀 ▲7四歩 △6二銀 ▲5四銀 △3四歩
▲同 歩 △同 金 ▲5五角 △6四角 ▲同 角 △同 歩
▲3五歩 △4四金 ▲4五銀引 △6三角 ▲9四歩 △9六歩
▲同 飛 △7四角 ▲7六飛 △6五角 ▲7五飛 △4五桂
▲同 桂 △7四銀 ▲6五飛 △同 銀 ▲3四桂 △5一銀
▲6三角 △3九飛 ▲7一角 △9二飛 ▲8一角成 △2二歩
▲2五桂 △4五金 ▲同 銀 △4一桂 ▲4九金打 △2九飛成
▲2六歩 △5二金 ▲8二角不成△同 飛 ▲同 馬 △5五角
▲7二飛 △2一玉 ▲7三馬 △3二銀 ▲4二桂成 △同 銀
▲5二飛成 △3三桂打 ▲4二龍 △3一歩 ▲3四銀打 △4五桂
▲同 歩 △2四銀 ▲5一馬 △5三桂 ▲5二馬 △5四銀
▲2三桂 △同 歩 ▲5三馬 △6六桂 ▲5九玉 △4九龍
▲同 玉 △5八金 ▲同 金 △同桂成 ▲同 玉 △4一金
▲3三金 △同 角 ▲同銀成
まで159手で先手の勝ち

19手目▲3六歩


従来の定跡では、ここに飛車を引いていました。
こちらの横歩を守るためだったと思います。

しかしソフトは飛車を引かずに歩を突く、この手が多いです。
そしていつからかは知りませんが、この手は人間の名前がついています。

飛車を引いて手渡しすると攻められるので、逆にこちらから動こうという発想で生まれたのだそうです。
1歩得で先攻するというのは、人間では思いつきにくい発想だと思いました。

何局かソフトの棋譜を並べていて思ったことを書きます。

仮に横歩を取られたとしても、それは相横歩取りと同じことです。
手番を得られるので、先手の得は残っています。

飛車を引く理由は、浮いているとなんとなく不安定ということもあると思います。

角で狙われやすくなりますが、その場合は相手に馬を作らせる代わりに、こちらが持ち角と手番を得るということになるのでしょう。
あるいはこわいように見えて、その変化は無いのかもしれません。

飛車の位置がずれると、2八に角を打ち込まれることがあります。
(△8五飛・中原囲いでは、先手が8二へ打ち込む定跡がありました。)

その場合香損はしますが、桂を活用しつつ馬を当面封じ込めることができます。
これは分かりやすい均衡です。

互角であればどちらを選んでもよいので、ソフトはことさら飛車を引くことはしないとでしょう。
あるいはソフトの中では互角とは考えていないのかもしれません。

31手目▲9七桂

この手は初めて見ました。
飛車交換を狙っているのでしょう。

この形では8九に飛車、2八へ角を打たれる変化が見えます。

中住まいの大駒交換は、自陣のスキを完全に消してから狙うものだと思っていました。

しかしそうではなく、相手の陣形と比較すれば、自陣に打ち込みがあっても大駒交換を狙ってよいのだと分かりました。

41手目▲8六飛


局面が落ち着いてしまうと、後手は角の打ち損に見えます。
2七の歩も取られそうです。

1歩得も維持していて、ここでは先手有利だと思います。

ただ、飛車が狭いです。
角と歩でどのように手を作っていくかが見どころです。
2七の歩を取ったり▲7七銀と上がるのも有効なので、相手の動きを待っても良いでしょう。

49手目▲4六角


早い角打ちだと思いました。
狙いもよく分かりません。

61手目▲4六同歩


また角がお互い持ち駒になりました。
先手は少しもったいないことをしたという気もしますが、銀を前進させることが出来ました。

これがどのように生かされるのかを見ていきます。

76手目△3四歩


やることがないのでしょう。
何度もこの合わせをやってきます。
そのたびにこちらに手番が回ります。

95手目▲9四歩

成り捨てて同香なら▲9一角ということでしょうか。
4筋でコマが激しくぶつかっていますが、自分から取るのではなく、相手に取らせて取り返す方がよいようです。

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