ルルーシュとスザク、この2人は人によって感じ方が大きく違うようで、そこが興味深いと思いました。
善だ、悪だ、悪でも好きだ。
色々な意見があるようです。
こういう作品は初めてです。
今のところ1期とR2だけ見終わりました。
ストーリーも凝っているので、一度見ただけでは完全に理解できていないおそれもあります。
この後、総集編である劇場3部作も見るつもりです。
とりあえず、現時点で感じていることを書きます。
ルルーシュについて
ウィキペディアで見た事前情報では悪とありましたし、ヤフー知恵袋ではもっと辛辣な意見も見ました。
しかし私は悪とまでは思えませんでした。
まず前提として、レジスタンスという行動を悪とは思っていません。
黒の騎士団のテロはきれいなテロということです。
ルルーシュが悪であるという意見の人は、黒の騎士団も悪と思っているのでしょうか。
彼らとルルーシュがブリタニアに抵抗する目的は異なっています。
黒の騎士団の目的は、日本開放。
ルルーシュの目的は、母の仇を討ち、妹が安心して暮らせる世界を手に入れること。
黒の騎士団同様、ルルーシュの目的も真っ当なものだと思います。
目的が違っていたら騙したということになるのでしょうか。
そうかも知れませんが、それを悪とまでは言い切れないと思います。
そして彼が掲げていた、強者が弱者を虐げる世界は認めないというスローガンは、紛れもない本心だったはずです。
味方を躊躇なく犠牲にするなど、非情なところもあります。
しかし好んで人を虐げたことは一度もないはずです。
そして最後、彼は目的のために自分すら犠牲にしました。
目的のためには手段を選ばない人間として、スザクとは対照的な人物でした。
善悪の意見は分かれていますが、決して私利私欲だけの人間では無かったと思います。
スザクには人間じゃないと言われましたが、その時点ではユーフェリアやシャーリーの死の真相を彼は誤解していたはずです。
(ゼロレクイエムの計画の時に、真相を伝えられたと思っています。)
ナナリーには悪魔と言われましたが、ギアスで人の心を操ることを言っていたのでしょうか。
ルルーシュはナナリーにだけはギアスをかけることをためらっていたので、それが悪という自覚はあったのかもしれません。
しかし私にはそれほどの悪とは思えませんでした。
ルルーシュは、ピカレスクヒーロー、あるいはアンチ、ダークヒーローなどと位置づけられているようです。
悪の要素が設定されているのは間違いないのでしょう。
しかし主人公である以上、何らかの共感を得られるものでなければ物語が成立しないはずです。
必殺仕事人を悪人と思う人はいないと思います。
デスノートはどうなのでしょう。
悪人ヅラの描写が多いですが、やっていることはそれほど悪ではないような気もします。
保身第一で、あまり覚悟もなく行動しているという印象が強かったので、あまり好きではありませんでしたが。
あらすじしか知らないのですが、『樅ノ木は残った』の原田甲斐に近いのかもしれません。
ルルーシュは悪とまでは言えないし、むしろ善の要素が強いという印象を受けました。
そして好きであると言えます。
スザクについて
スザクは嫌いです。
こちらの記事に散々書きました。
W主人公ではないという制作者からのことわりのコメントがあったようですが、私にはとてもスザク視点から物語を見ることは出来ません。
彼も善か悪かは意見が分かれているようです。
しかしどう見ても、彼は色々許されないことをやっているはずです。
父親殺し。
(それを隠すことが許されるのかという問題もあるでしょう)
そしてその事によって日本が占領されてしまったこと。
徹底抗戦していれば回避できたかについては触れられていません。
ただこれ以上死人を出したくないというだけの理由で父親に反抗したということであれば、これは間違いなく許されないでしょう。
それ以降の行動も、少なくとも共感できないものばかりでした。
しかし彼が悪であるとは言い切れないものがあります。
悪を本人が自覚していない場合、彼は悪人と言えるのか、という命題に行き着くのでしょう。
昔『ストーンオーシャン』という漫画がありました。
悪役がまさにこのタイプの人物でした。
彼は作中で悪であると明確に設定されていたので、自然に作品を楽しむことが出来ました。
そこがコードギアスとの違いです。
先の記事に追加します。
ウザクがうざい理由その7
ウザクはやっていることは悪なのに、作中でそのように設定されていないので迷ってしまいます。
むしろルルーシュのほうが、ダークサイドの扱いになっています。
これには納得いきません。
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