創の軌跡感想評価 クロスストーリーシステムについて

まだ未クリアですが、プレイ時間30時間時点での見解を書いていきます。

プレイ感覚が新鮮で、とても楽しいです!

そして新たな試みに可能性を感じました。

一方で、まだ試行錯誤の段階で洗練されていないと感じる点もあります。

今後に望むことについても書いてみました。

目次

クロスストーリーシステムの評価できる点

一つの世界を複数の視点で描くというのは、ゲームのボリュームを上げることでもあります。

単純にいえばプレイ時間です。

今までは「一つの視点で世界の奥行きを描く」というスタイルでした。

具体的に言えば「おつかいクエスト」です。それでプレイ時間を稼いでいました。

今までの「狭く深く」描くスタイルは、嫌いではありませんでした。

しかし特に閃4あたりで限界を感じました。「世界大戦前夜にとなり町から食材を取ってこい」などというおつかいの依頼を受けるというのは、いかにもテンポを損なうものです。

閃の軌跡4感想その9 サブクエスト雑感 こんなことをさせるなアーーー!!

 

閃4でなくとも、ストーリーでグイグイ引っ張っていくタイプのゲームの中では、従来のクエストのシステムは相性がよくないのではないでしょうか。

しかし創になってからは、今のところおつかいクエストが全く出てきません。

快適です。

「広く浅く」になってから、ストーリーを追うことに集中できるようになりました。

市井の人々の生活を描くのはほどほどにして、今後もこの路線でお願いしたいです。遊撃士や星杯騎士を主人公にすることにも期待できます(あっ、これって空の軌跡か)。

プレイ時間稼ぎは無限回廊も担うのでしょうが、それはやはりオマケ要素で留めてほしいです。

クロスストーリーシステムの問題点

やはり話が行ったり来たりというのが分かりづらい」という向きもあるかもしれません。

しかし私が分かりにくいと思っているのは、時間の前後関係です。

今の行動をしているときに他のキャラクターは何をしているのか、というのがパッと理解できないのです。

零碧と閃の時間関係についても、実はそんな感じでした。閃1が碧からどれだけさかのぼったのか、そしていつ零(碧?)に合流したのか、などです。日付がよく出てきますが、いい加減な私はそのルート内での時間関係すらよく分かっていません。

ロイドと≪C≫が協力してロックを外していくイベントなどは、どちらのルートをプレイしているのか分かりづらかったです。

両方のルートを切り替えながら少しずつ進めていた、ということなのでしょう。ただ自動で切り替わるので、一つのルートで他のルートもプレイしているという感覚でした。

「いつでも切り替えられる」というふれこみでしたが、実質的には1本道でしょう。

ロックがかかる前に他のルートに切り替えようという気は起きません。そうすると話も時間も分からなくなってしまいますので。

行ったり来たりしているのに1本道感も拭えないのは、互いのルートがあまりにも密接だからなのかもしれません。事前に言われていたニアミスどころではないです。零碧と閃くらいの距離感がよいのでしょうか。ニアミスが悪いとも言い切れませんけど…

今後はおつかいクエスト専任の主人公を設定してもよいかもしれません。以降も3人主人公ということであれば、一人くらいいてもよいでしょう。

市井の人々の生活を描くだけに徹したルートです。ユーザーも気が向いたとき、何なら他ルートクリア後にプレイできるようにしてもよいです。

クロスストーリーシステムの可能性

3人の主人公という設定から生じたシステムだと思われますが、複数の視点から一つの世界を描くというのが斬新です。

映画やテレビドラマでよくある2人主人公というのは、全編同じ視点で描いていますから。

ゲームではどうなのでしょう。

一人の主人公からストーリーが分岐するというのは、よく聞きます。マルチエンディングって今でも言うのかな?

しかし別々の地点からスタートして、後に合流するというのは少ないでしょう。あまりゲームはやらないので詳しくはないのですが。

 

もう30年くらい前になるでしょうか。ファルコムでいえばイース2やソーサリアンの時代です。

「サイオブレード」というアドベンチャーゲームがありました。

このジャンル名は今では通じないのかな?ノベルゲームっていうのでしょうか。

SFモノです。宇宙船内と地上の2つの舞台を、それぞれの主人公のストーリーが展開していきます。

未プレイなので、内容はまったく知りません。コナミのスナッチャーと同時期だったので、そちらとかなり迷ったものです。

(期せずして言及しましたが、スナッチャーといえば奇しくも創の軌跡を先取りした設定のゲームでした…)

後年(といっても今からでも20年近く前になりますが)、名探偵コナンの映画でも似たように思える設定の作品がありました。

タイトルは『ベイカー街の亡霊』

仮想世界と現実を舞台としているのですが、現実の犯罪者の手掛かりを仮想世界で探るような内容だったと思います。面白かったのですが、予想していた内容とは違いました。

複数主人公による複数ルートからのスタートというのは、私の中では今までありそうでなかったということになります。

このシステムはかなり可能性があると思っています。ユーザーの予想を超えた大仕掛けができるはずです。

発売前に発表されたOPムービーのルーファスがロイドを追い詰めたり≪C≫と戦っているシーンは、ロイドルートと並行世界になっている≪C≫ルートだと思っていました。

ルーファスは完全に改心しているものと思っていましたから(実際それはその通りなのですが)。

深読みしてしまいましたが、普通は3ルートが同一の世界と時間で進行していると考えるのが自然です。しかし明言しているわけではないので、そこに仕掛けの余地があると思うわけです。

ミステリー小説でいうところの「叙述トリック」です。

まあそれほど凝った話でなくとも、クロスストーリーシステムにおいては過去にボツになった「執行者主人公」も普通に可能になります。

思い切って凝った話でいえば、「シュタインズ・ゲート」と続編の「ゼロ」もクロスストーリーの一種といえるでしょうか。同一主人公ですが単なる別ルートではなく、そのルートでの行動が他方に干渉するという意味で。

シュタインズゲートの順番は?アニメとゲームについてまとめた

空の軌跡のPS4版が待たれていますが、もし移植でない完全リメイクであればクロスストーリーシステムを取り込むことも期待します。エステルルートだけではなく、レーヴェルートとケビンルートがクロスする空の軌跡をプレイしてみたいです。

これからまだまだ洗練されていくであろうクロスストーリーシステムに期待が高まります!

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