「AlphaZero」グーグル製将棋最強ソフトの棋譜感想

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「AlphaZero」が、従来の最強ソフトに圧倒的に勝ったことは聞いていました。

AlphaZeroと従来最強ソフトelmoとの対戦成績は、90勝8敗2分 となっています。

資本と人材を投入すれば勝つことは当然のことなので、興味はそこにはありませんでした。

残念なのは、当時棋譜が公開されなかったことです。

しかしついに「AlphaZero」の棋譜が公開されました。

先手:AlphaZero
後手:elmo
手合割:平手

▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲9六歩 △3二金 ▲3八銀 △9四歩
▲7八金 △7二銀 ▲3六歩 △3四歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲6八玉 △8五飛 ▲7六歩 △8八角成 ▲同 銀 △3三角
▲2一飛成 △8八角成 ▲7七桂 △同 馬 ▲同 玉 △8九飛成 ▲2四桂 △8五桂
▲6六玉 △4一銀 ▲6八金 △7九龍 ▲5八金寄 △2七歩 ▲8三歩 △2八歩成
▲3二桂成 △同銀直 ▲2八龍 △5四桂 ▲5六玉 △7六龍 ▲6六金 △同 桂
▲同 歩 △7七桂成 ▲2二角 △8三銀 ▲4六歩 △7四銀 ▲4五桂 △5二金
▲4七玉 △6七成桂 ▲7二歩 △6一玉 ▲8二角 △7二玉 ▲9一角成 △4四歩
▲3三桂成 △4五歩 ▲8二歩 △5八成桂 ▲同 金 △4六歩 ▲3七玉 △7八龍
▲6八桂 △6九龍 ▲5九香 △2七歩 ▲同 龍 △4七金 ▲同 銀 △同歩成
▲同 玉 △9三桂 ▲2五龍 △4六歩 ▲同 玉 △4五歩 ▲同 龍 △5四銀
▲1五龍 △7一金 ▲8四金 △8九龍 ▲7六桂 △1四歩 ▲2五龍 △2四歩
▲3四龍 △7五銀 ▲8一歩成 △8四銀 ▲7一と △8三玉 ▲7五歩 △同 銀
▲6五金 △5五金 ▲同 金 △同 銀 ▲3七玉 △4四歩 ▲6五金 △7六銀
▲7五金 △4五桂 ▲同 龍 △同 歩 ▲3二成桂 △4六銀 ▲2八玉 △3八金
▲同 玉 △2八飛 ▲同 玉 △3七銀成 ▲1八玉 △2八成銀 ▲同 玉 △9五歩
▲8二馬 △同 玉 ▲8一飛 △9二玉 ▲9一金
まで133手で先手の勝ち

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感想

5手目▲9六歩

人間の定跡では▲7八金です。
△8六歩の対策という意味では同じですが、人間で▲9六歩と指す者はいないでしょう。

24手目△3三角


こう指すとしばらく一直線になるので、双方がどう評価していたのか気になります。
当然、私の目では優劣は判断できません。

65手目▲3三桂成

▲4四同角成だと思ったのですが、寄せの駒が足りないのでこう指したのでしょう。
私は読めませんでしたが、人間には指せない手というほどでもない思います。

83手目▲2五龍


龍を寄せに使うという意味でしょう。
強いと言えば強いですが、これも人間に指せないというほどの手ではありません。
もっととんでもない手が出ないのかと、期待しながら見ているのですが。

113手目▲7五金


この手ではなく、この局面の感想です。
寄せの形が完成しましたが、それまでの手順にソフトの強さがあるのだと思いました。

そのいずれもとんでもない手というわけではないのですが、
人間にマネが出来るのかと言えば、そうとは言い切れないという感じです。

この後△4五桂を▲同龍と取ってしまいました。

自玉に寄りはありません。

人間には指せない手とはっきり分かるのは、以降の後手の無意味な手の連続だけでした(笑)

双方のソフトについて

しばらくプロやソフトの将棋から離れていたので、分からないことを調べてみました。

elmoはどのくらい強いのか。

ソフトの大会は毎年優勝者が違うので、まだ飛躍的に発展が続いているのでしょう。
elmoは直近の大会優勝ソフトだと思われます。

その大会は、Ponanzaの後継バージョンに2連勝とのことでした。

Ponanzaはおそらく一般の人も知っているかもしれないソフトです。
プロの名人に勝ったということで、当時大きく報道されました。

棋譜を見ましたが、ひどいものでした。
終盤にたどり着くことさえ出来ていませんでした。

後継バージョン「Ponanza Chainer」は、ハード面でも強烈な強化が行なわれ、
全勝優勝間違いないと思われていたそうです。

しかし結果はelmoの2連勝。

ただ後日検証を行ったところ、「Ponanza Chainer」が勝ち越したそうです。

初段が二段に2連勝することがあり得るように、
大会の結果もそういうことだったようです。

elmoの強さはそういうことになりますが、レーティングを示した方が早いですね。

将棋フリーソフト レーティング

こちらのサイトによると、
elmoのレーティングは、将棋倶楽部24で4000を超えているとのことでした。

AlphaZeroについて

今回の発表に、羽生名人がコメントを寄せています。

Some of its moves, such as moving the King to the centre of the board,
go against shogi theory and – from a human perspective – seem to put AlphaZero in a perilous position.
But incredibly it remains in control of the board.
Its unique playing style shows us that there are new possibilities for the game.”

玉が盤の中央へ動くのは人間のセオリーに基づけば危険だが、よく見るとしっかりしている。

このソフトの指し方は、将棋というゲームの可能性を広げたと言える。

かなり適当ですが、こんな感じの訳になると思います。

ただ私としては、思ったより普通の指し方で、ちょっと拍子抜けしました。

それまでのソフトは人間の棋譜を取り込んで、それを参考にして強くなりました。

今回のAlphaZeroは、完全にゼロからの自主学習で強くなったと聞いていたので、
もっと人間の想像を絶する手、局面がバンバン出てくると期待していたのです。

しかしそうではありませんでした。

玉が中央へ向かうとは、この将棋ではこのことを言っているのでしょうか。
これは下がると寄ってしまうような気がするのですが。

しかし今回発表された100局の中には、玉が中央へ向かう将棋がたくさんあるそうです。
この1局を見ただけでは、AlphaZeroを理解することは出来ないようです。


あと気になったのが、勝率が9割だったということです。

強いことは強いのですが、それにしては勝てていないと思いました。
ちなみにチェスは最強ソフトに全勝しています。

それまで個人が汎用PCで細々と開発していたところへ、大資本と人材を抱えたグーグルが殴り込んで来たわけです。
将棋のソフト開発は、1つの到達点に達すると思っていました。

1つの到達点とは、具体的に言えば、今のように大会で毎年優勝者が入れ替わるのではなく、
少なくとも数連覇はする状況のことです。

調べるうちに見つけたのですが、AlphaZeroにはそれは出来ないようです。

今の将棋ソフトはAlphaZeroを超えている件

もう1局並べてみました。
こちらの記事もご覧ください。

アルファゼロの将棋の棋譜を並べてみました。羽生善治名人のおすすめ分です。

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