半沢直樹のラジオドラマをご存じでしょうか。
「半沢直樹 敗れし者の物語」
敗れし者とは、以下の4人です。
浅野匡(元・東京中央銀行大阪西支店長)
小木曽忠生(元・東京中央銀行人事部次長)
東田満(西大阪スチール社長)
黒崎駿一(金融庁検査局主任検査官)
半沢直樹に倍返しを食らった4人の末路を、それぞれ20分ほどで描いています。
『半沢直樹』大好きなのですが、ラジオドラマということでわざわざ聴くことはないと思っていました。
しかし現在、インターネットの公式サイトで聴くことができます。
公開期間は設定されていませんが、テレビドラマの放送が延期されたということもあるので、聴いてみるのもよいのではないでしょうか。
音声だけのドラマを聴くというのは久しぶりです。
なかなか聴く機会はないものですが、結構面白いものです。低予算で制作できるということで作られるのでしょうから、こういうのはもっと増えてもよいと思います。
末路と書きましたが、それほど悲惨なものではありません。半沢にやられた時がピークです(笑)
今回は浅野支店長のエピソードです。それでは見ていきましょう。
『半沢直樹』ラジオドラマ 浅野匡元支店長の末路 ネタバレあらすじ感想
半沢に一番いたぶられたのがこの男です。
半沢は正体を隠しつつ、時間をかけてジワジワと締め上げる…たまりませんわ。自業自得なんですけどね。それだけに痛快でした。
劇中では最後は外国に出向させられました。犯罪者なのですから、それでも御の字なのですけど。仲間の東田は収監されていますからね。
奥さんの健気さに打たれた半沢が仏心を出したおかげで、その程度ですんでいたのです。
しかしその奥さんが外国の生活がなじめないということで、会社を退職しました。
日本の北関東のとある田舎町に移り住んできたところからドラマは始まります。
時は半沢に土下座してから数年後のこと…
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「見て!山がこんなに近くにある。すごく空気が美味しい…気がする。」
「えっ?」
「私、空気の味なんて分からないわよ。」
「笑った。ここ数年、あなたが笑った顔なんか見てない気がしたから。田舎暮らし始めてよかったね。」
しかし外国も田舎も、都会暮らしに慣れたものにとって住みづらいという点では変わりなかったようです。
虫が多い、コンビニが遠い、コンビニに行けばヤンキーがたむろしている…
そして人間関係がわずらわしい。
地元のボスから村祭りの役員を押し付けられてしまいます。
しばらくして予算の中から15万円が消え、その責任を問われることになります。
「私はね、あんたが15万円を盗んだと思っている。
もしそうだったら、あんたには村の連中全員の前で、土下座してもらいますからね。」
また土下座かよ…それも今回は15万ぽっちのことで。
いや金額は問題ではなく、今回は浅野は一切かかわっていないのです。まったくの濡れ衣です。
「分かりました。では、犯人が私ではないことを必ず証明します。」
「その時は山瀬さん、あなたに 土下座 してもらいますからね。」
浅野にとって因縁の「土下座」をかけた闘いが始まった!
ボスの流言で、浅野は村の住民から白眼視される日が続きます。
ここでもまた奥さんが活躍を見せます。
「引っ越ししましょうか?」
「そんな思いをしてまで、ここにすむ必要はないですよ。田舎は虫も多いし、バイクを乗り回すガラの悪い子も多いし。」
「この前も、村の集会所の辺りを、そういう子がうろうろしていたり」
「集会所の辺りを?」
“村の集会所の辺りを”という点に、浅野はひっかかりを感じました。
村祭りの予算の保管場所だったからです。
「引っ越しは少し待ってもらえないか。このままやられっぱなしで田舎暮らしを終わらすことは出来ない。」
「あの男なら、きっとこう言うと思う・・・」
やられたらやり返す。倍返しだ!
目撃情報から、ガラの悪いバイク野郎は、村のボスの息子だと分かりました。
そして最近15万円相当のバイク用品を買ったということも。
浅野はボスのところにねじ込みます。
「浅野さん、やっと土下座をする気になったか。」
「村祭の予算15万円を盗んだ犯人がわかりました。」
「私は元銀行員です。もしもの時に備えて今回の夏祭りの予算50万円、全てのお札の番号を控えておきました。」
「だから、警察が息子さんの使ったお札の番号を全て調べれば真実がわかるはずです。」
「私はこのことを警察に届け出ます。そして真実が明らかになった時、私を盗人呼ばわりしたあなたを、名誉毀損(めいよきそん)で訴えます。」
浅野は辛くも危機を乗り切ることが出来ました。
感想ですが、浅野にしては出来過ぎだと思います。
番号を控えていたのがハッタリだったというのも、度胸があり過ぎです。
半沢にあれほど非人道的な仕打ちをしておきながら、今回の倍返しのところで手心を加えたというのも…
自分が破滅して、人の痛みを少しは知ったということなのかもしれませんが。
ハナシとしてはなかなか面白いと思うのですが、キャラクターに違和感がありました。
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