盟主の計画 永劫回帰とは何か
永劫回帰とは哲学者ニーチェが提唱した思想です。
永劫回帰とは、無限の時間の中においては、
同じことを永遠にくり返しているはずであるという考えです。
聞いたことはありましたが意味は知らなかったので、ゲームをやった後に調べました。
まあ言葉通りの意味ですね。
前世、現世、来世と、魂の生まれ変わりが永遠に続くというのではなく、
まったく完全に同じことが永遠にくり返されるということです。
それをニーチェは肯定的にとらえています。
まったく同じことが永遠にくり返されるのなら、悪いことも肯定的にとらえるしかありません。
それは一種のあきらめとも言えそうです。
内容をくわしくは知りませんし、調べてもいませんが、
「神は死んだ」というニーチェの言葉は有名です。
しかし、私はあまり共感できません。
悪いことを肯定的にとらえるということが出来ません。
そもそも本当に同じことがくり返されているのかも怪しい話です。
信じてはいけないのかもしれませんが。
昔から各方面から、この思想への批判もありました。
ここで考えたいことは、盟主のこの思想に対する見解です。
彼女がこの思想を肯定的にとらえているのか、
それとも否定的にとらえているのか。
それによって、計画の全貌も予想出来てくるのではないかと思っています。
肯定的解釈
まずここから考えてみます。
比較的分かりやすいでしょうし。
肯定的に考えているということであれば、永劫回帰を進めることが目的ということです。
だとすれば現状は、能動的に行動しなければ永劫回帰は実現しないということなのでしょう。
マクバーンのいた異界はすでに滅びたものと思われます。
ゼムリア世界に彼が顕れた理由は分かりませんが、
元にいた異界は、永劫回帰の実現しなかった世界と考えます。
盟主もまた別の世界、(可能世界と言ってみます)
閃の軌跡4考察 可能世界とは? 盟主と「那由多の軌跡」について
マクバーンのいた異界とも、ゼムリア世界と異なる、
別の可能世界からやってきたのではないかと考えています。
黒の史書には、塩の杭とともに顕れた『忌み子』の存在に関する記述があります。
その正体が盟主ではないでしょうか。
塩の杭のあった異界がマクバーンのそれと同様に滅び、
盟主も彼と同様ゼムリアに顕れ、子供と融合したのかもしれません。
ゼムリア世界の古代文明にあった七つの至宝、
それを現代においての行方を見守るという目的は、
それによってゼムリア世界で永劫回帰を実現する可能性を探るということでしょうか。
滅びが終わりでないことをよしとするならば、意義はあるのかもしれません。
否定的解釈
永劫回帰をよしとする考えは理解できません。
それならば空の軌跡の極悪人、ワイスマンの言い分の方がよほど共感できます。
いや、極悪人とはいえ、彼の言い分にも一理あると思います。
エステルの反論に彼は納得できていませんでしたが、実は私もそれはどうかなという印象でした。
物理的な破滅か、精神的な破滅、
いずれかをくり返すことが永劫回帰であるならば、
そこからはどのような方法を用いてでも抜け出さなければならないと思います。
永劫回帰思想においてニーチェは超人という言葉を用いましたが、
ワイスマンは破滅を回避するべく人を導く、
それが盟主から授かった使命とも言っていました。
おそらく盟主も思いは同じなのだと思います。
『特異点』に関する疑問
ロゼが塩の杭のことを『外の特異点』と呼んでいました。
私は世界が終わる瞬間くらいに思っていましたが、
そうだと仮定して具体的にはどういうことなのでしょうか。
宇宙もいつかは終わりが来る、仏教でいえばお釈迦様が亡くなる瞬間だったでしょうか、
宇宙の寿命が尽きる時だと思っていました。
永劫回帰の始まる地点というのも、そういうイメージです。
盟主は『完全な無』と言っていましたが、それも同様です。
しかしそうだとすれば、人間の可能性云々は全く関係のない話となります。
だとすれば特異点というのは、人間が滅ぶ瞬間のことを指している可能性があります。
今、仏教のことを調べたのですが、これにも世界はくり返すという思想がありました。
閃4のレンの決め台詞で、三千世界云々と言っていて、何のことかと思っていました。
仏教用語で、たくさんある宇宙のことでした。
それぞれを可能世界と呼ぶこともできそうです。
それらの世界もくり返すのだそうです。
身食らう蛇というのは、そういうことなのでしょう。
分からないことはまだまだ多いですが、盟主の計画の目的はかなり絞れてきた感じです。
ややこしいので、すっきりと悪の組織ということにして欲しかったのですが。
特異点から世界をくり返すといえば、昔に似たテーマの漫画がありました。
『ストーンオーシャン』という作品です。
こちらの記事で少し触れています。
この漫画では、1周目と2周目の世界は同じようで、実は大きく違うと考えられています。
そういえば、そのことが人類を救うとも言われていました。
あるいは被っている?
軌跡シリーズは15周年ですが、この漫画もかなり昔のものです。
調べてみたところ、もっと昔でした。
軌跡シリーズの永劫回帰計画がどのようなものかは分かりませんが、
被っていたとしたら、この漫画から着想を得たのかもしれません。
こちらは『ストーンオーシャン』の作者についての記事です。
長年のファンです。
|
コメント