アルファゼロの将棋の棋譜への羽生善治名人のコメントについて

グーグルが開発した将棋ソフト「AlphaZero(アルファゼロ)」の棋譜が100局公開されました。

私も2局ほど並べました。

「AlphaZero」グーグル製将棋最強ソフトの棋譜感想

アルファゼロの将棋の棋譜を並べてみました。羽生善治名人のおすすめ分です。

羽生善治名人の選んだアルファゼロ将棋棋譜10局kifファイルまとめ

公開に際して、羽生名人が感想のコメントを寄せていました。
英文だったので、がんばって読んでみました。

玉が盤の中央へ動くのは人間のセオリーに基づけば危険だが、よく見るとしっかりしている。

このソフトの指し方は、将棋というゲームの可能性を広げたと言える。

かなり適当ですが、こんな感じの訳になると思います。

スポンサーリンク

ソフトが人間の将棋の可能性を広げることはあり得るか

人間がソフトに勝つ可能性という話は、もう誰もしていないでしょう。

ここでいう可能性とは、人間の指し方に影響を与え得るかという話だと思います。
それを前提に、ソフトの将棋の感想を書いてみます。

弱いわたくしごときが僭越ですが、人間がソフトの指し方を参考にするのは限度があると思っています。

玉に守りの駒がいない状態では、理屈では優勢であっても、一手のミスでそれが逆転することになります。

常に心理的な不安を抱えながら指すことになります。
そしてその不安がミスを誘うので、実戦的には勝ちにくいことになります。

しかしソフトには、心理的な不安というものはありません。
ミスというものが実力を出せないという意味だとすれば、ソフトにはミスもありません。

その前提があるからソフトはあのような指し方が出来るのであって、
人間がマネをすることは出来ないと思います。

やはり人間は玉をしっかり囲って、攻める駒を前進させる指し方が基本になります。

その局面をソフトにかければ、人間が思いつかなかった、しかしマネのできる指し方を、
ソフトが示すことはあり得ると思います。

ソフトの作る棋譜について

可能性に関してもうひとつ。
ソフトが人間を楽しませる棋譜を作り得るかという話をします。

先の記事でも書きましたが、今回のアルファゼロの棋譜はあまり楽しめるものではありませんでした。

どれも長手数になっていますが、終盤がもたついているからです。
そして、どの指し手からも強さが伝わってきません。

強い者同士で戦っているせいだからと思いますが。

期待していたのは人間の想像を絶するような意外な手だったのですが、それもありませんでした。

囲碁のソフトは、初手を辺に打ったそうです。

3子といえば、将棋で言えば飛車落ちでしょうか。
それでも勝ってしまうというのは、人間の興味を引き、楽しませることができるものです。

将棋も人間相手に指せば、楽しめるものになるのかもしれません。

そういえば将棋では、人間がソフトと駒落ちで指すというのは聞いたことがありません。

昔プロは、角落ちならば神にも勝てると豪語していました。
角落ちならばさすがに負けないと思うのですが、実際はどうなのでしょう。

囲碁のプロが3子で勝てないというのは、とても信じられないのですが、現実のようです。

そういえばソフト同士の対局で、すごいものを見たことを思い出しました。

人間対ソフトで盛り上がっていた頃だったと思います。
それは相矢倉の将棋でした。
まだ序盤で、お互い駒組みが終わったあたりの局面でした。

一方が、いきなり暴れ始めました。
大駒もバサバサ切って、20数手は進みました。
その局面では、相手玉が受け無しになっていたのです。

しびれました。
これは人間は勝てんわと思いました。

こういう棋譜を作ることは、人間には出来ないでしょう。
ソフトの可能性と言えると思います。

今のソフトはもっと強いはずですが、それゆえそういうことはもう許さなくなっているのでしょうか。
強くても、それが伝わらなくては面白くありません。

戦法の可能性

今回見たアルファゼロの棋譜は、どちらも相掛かりでした。

忘れていましたが、ソフトは戦法の可能性を広げた実績があります。

まさか雁木が復活するとは思いませんでした。
プロからも散々バカにされていたというのに。

矢倉でもダメだと思われていた手をソフトが指して、見直されたことが何回もありました。

以前ソフトの大会で、横歩取りの後手が、すぐに△2三歩と打つ型を指しているのを見たことがありました。
これも人間は指さなくなった形です。

初手から最善を考えるのではなく、色々な戦法の可能性を広げることも期待したいです。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする