新海誠監督のアニメ映画『天気の子』が興行収入100億を突破しました。上映1ヶ月余にしての快挙です。どこまで伸びるか楽しみです。内容に関しては賛否両論あるようですが、それが話題を高めることにつながっているとも言われています。
私も先日見に行きました。感想は可もなく不可もなくと言ったところでしょうか。
『君の名は。』も見に行ったのですが、今回はストーリーが分かりやすかったです。前作は話についていくのに精一杯というところがありましたから。
色々批判もあるようですが、同意できるものもあればそうでないものもあります。退屈で長く感じるということはなかったですね。ラストの感想は人それぞれなのでしょう。
ここでは私が不満に感じた点を述べます。新海誠監督のインタビュー記事もいくつか読みましたので、それに関しても触れます。
天気の子のつまらないと感じた部分とその理由 ネタバレ御免
1.主人公が何者か分からない
なぜ田舎から東京に出てきたのか、その理由が分からないため感情移入しにくいです。
しかし主人公(ヒロインも含む)を明確に描かないというのは、意図的にそうしたのだそうです。過去のトラウマを克服するために行動する、という形にはしたくなかったとのこと。
過去に何があったかは、見る人の想像に委ねるということです。しかし作中での行動に違和感のある主人公だったので、そうしようという気は起こりませんでした。一言で感情移入できないということです。
例えば拳銃を拾って、その上発砲までしておいて、届け出もせず逃げ回っているところとか。
こいつは何者なんだ?としか思えませんでした。
家出少年というのはありふれているのでかまわないのですが、田舎から出てきたとなると気がかりな設定でしかありません。この部分は不要だったのではないかと思います。
2.拳銃を偶然拾うなどといった強引な設定
若者と社会の対立というのも一つのテーマなのかもしれませんが、どうも違うと思いました。主人公がヒロインを救いに行こうとするのを警察が邪魔をするという構図となりましたが、主人公側に共感できません。
拾った拳銃を持ったままというところまではともかく、発泡までしておいて届け出ないというのは不自然です。
その理由も説明がありませんでした。そのような状態で「今までどおりの普通の暮らしがしたい」という考えには共感できません。警察に追われるのは当然です。
社会との対立を描くのであれば、もっと自然なやり方はなかったのでしょうか。
拳銃を偶然拾うというのも相当不自然です。しかもそれを届け出もしません。それで「ボクたちの邪魔をするな」はないでしょう。
拳銃を登場させるべきかどうかは、制作にあたってもっとも議論されたとのことです。
3.テーマ、メッセージを明確に主張してこない
ハッピーエンドと言えるのか、という評価まで出てくるくらいスッキリしないラストです。
ヒロインを救えたら異常気象は続いてもかまわない!ということで、もっと高揚した気分にさせてほしかったです。
主人公のキャラクターが弱いということでしょうか。いつまでも何を考えているのか分からないところがありました。
町よりヒロインを選んだ点に関しては共感できました。賛否両論あると言われていますが、本当でしょうか?
異常気象を止めるためにヒロインを見捨てるような、そんな胸クソ悪いものが作品として成立するとは思えません。
天気の子のつまらないと感じた部分とその理由 まとめ
この3つ、いずれも監督が意図してやっていることでした。このような指摘は、すでにお見通しということです。
私のように思う人も多いはずと考えているようなので、全く的外れではないのでしょう。しかし制作には正反対の方針が反映されたということです。
天気の子感想文 絵、ストーリー、結末の考察、評価。ネタバレ少し
『君の名は。』で批判されたことを受けて、次回作でそれを回避しようとはせず、むしろもっと批判されるような内容を目指したそうです。
それにもかかわらず『天気の子』も100億突破の大ヒットとなりました。もう誰も新海監督のことを一発屋とは言えないでしょうし、実力は完全に証明されました。
次回作への要望なのですが、今度は王道の作品を見たいと思います。もっと素直に、スッキリと楽しめる内容を望みます。
覇道はもう極めました。
『君の名は。』はジャンルすら不明になるくらい設定を盛り込んで、ごった煮のようになってしまいした。
『天気の子』は、あのラストをどう感じるにせよ、辛気臭いという印象は否めませんでした。
SNSの活用や、話題作りのための様々な仕掛けの話をよく目にしました。今後はもうそこまでやる必要もないでしょう。
もう宮崎駿の後継者と地位を確立したと言っても過言ではないと思います。次は小細工なしの王道作品が見たいです。
君の名は。その後 瀧と三葉は結婚したか 奥寺先輩の結婚相手も判明
これだけの大ヒットにもかかわらず、いまだにマニアックな作風と感じます。それが悪いというわけではないのですが。
客層がかなり狭いと感じます。ハイティーンから30代がほとんどではないでしょうか。老若男女が楽しめるものであれば、さらなる大ヒット作品も出てくると信じます。
天気の子の興行収入はどこまで伸びるか?予想してみた
『天気の子』の興行収入が100億円を突破しました。『君の名は。』の最終興収は250億円でしたが、『天気の子』の上映期間はまだひと月程度です。『君の名は。』が1年かけての数字ということを考えれば、これはかなりハイペースだと言えるでしょう。
どこまで息長く続くかがポイントです。
現在もまだ1日の上映回数が多いです。通常の作品なら公開1ヶ月以上もたてば、せいぜい3回程度でしょう。下手をすれば終わるものもあるのかもしれません。
『天気の子』は、今でもいつ行っても見られる状態です。
地元の映画館を調べてみたら、初回開始が8:50、最終6本目の上映終了が23:40でした。
ランキングもライオンキングに次いで2位につけています。後から始まったワンピースは3位に落ちてしまいました。
これはロングランが狙えるでしょう。
歴代興収ランキングの中でから最近の作品を探してみたのですが、16位に『ボヘミアン・ラプソディ』を見つけました。興収130.5億とのことなので、これくらいは行きそうな気がします。
150億あたりは『アバター』や『崖の上のポニョ』があります。
『アバター』は当時大人気で私も見に行ったのですが、興収ではこんなものなのですね。
歴代10位というのも思ったより低かったです。
『アナと雪の女王』も最近の作品でした。当時はランキングのチェックを続けていた時期で、15週くらいトップが続いていました。さすがにこれほどのパワーは『天気の子』にはないと思います。
やはりどれだけ息長く続くか次第になるでしょう。
最終的な興行収入は200億と予想します。
コメント