よみがえれ テレビドラマ時代劇 衰退の理由を考察してみました

 (私の中の)テレビ時代劇最盛期

私が時代劇を見始めたのは、中学生の頃でした。

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「必殺仕事人5」「暴れん坊将軍2」「水戸黄門16部」
「影の軍団・幕末編」「遠山の金さん(高橋英樹版)」

などをやっていました。

また本放送以上の時間を費やして、それらのシリーズの再放送も見ていました。

日中ビデオに録画した分を、早起きして2本は見ていました。
今思えば、テレビが面白かった時代とはいえ、熱中しすぎたかもしれません。

当時はNHKの朝ドラの視聴率が、50%はとれる時代でした。
日曜の大河ドラマがそれに次ぐ数字を取っていましたが、
ときに暴れん坊将軍は上回ることがあったと記憶しています。

テレビ時代劇の最高視聴率をとったのは、水戸黄門第9部の43.7%です。
当時積木くずし最終回の45.3%に次いで、民放ドラマ史上2番目の高さだったそうです。

当時から時代劇は年寄りが見るものというイメージがあり、
実際そうだったと思いますが、
必殺シリーズは若者からも人気を得ていました。
シリーズ最高視聴率をとった仕事人3は、37.1%だったとのことです。

やがて「三匹が斬る」が始まり、これも長く続いたシリーズでしたが、
これが終わる頃を境に、時代劇を見なくなりました。
必殺シリーズの映画化が終わった頃とも重なると思います。

以降、暴れん坊将軍と水戸黄門が細々と続いていたという印象です。
水戸黄門が末期を迎えた頃、テレビ時代劇の衰退を言われるようになったような気がします。

その理由を調べてみましたが、ほとんど聞いたことがあるものばかりでした。
自分の考えを交えながら紹介します。

理由1 制作にお金がかかる

衣装や小物をいちいち用意する必要があるので、そうなるでしょう。
馬も出さないといけないこともあるので、大変ですよね。
人件費と比較して、どれほどのものなのかは分かりませんでしたが。

問題は、昔は出来てなぜ今は出来ないのか?ということだと思います。

昔の時代劇を見ると、ふんだんな予算の使い方に驚かされることもあります。

たとえば三船敏郎の忠臣蔵。
テレビ時代劇とは思えない豪華な俳優陣です。
まさにオールスターキャスト。
(当時は下っ端だった役者もいたのかもしれませんが)

里見浩太朗の年末時代劇、日本テレビだったと思いますが、
この豪華なキャスティングは、バブルの賜物なのでしょうね。

一応経済は発展しているのでしょうが、
今は大胆なお金の使い方ができなくなっていると感じます。

ただ、映画はもう長い間、常に時代劇は作られ続けています。
比較的潤沢な予算を用意できるからだと思います。
大ヒットというのはほとんど聞きませんが、作られ続けているからには、
投資を回収できる程度には利益を見込める、ということなのでしょう。

だから、ジャンル自体が受け入れられなくなったというわけではないはずです。

理由2 スポンサーがつきにくい?

よく分かりませんが、現実としてあるようです。

たとえば刑事ドラマの相棒では、日産の車が出てきますが
時代劇では劇中で自社商品を出しづらいということを聞きました。

そんなことをせずとも、
劇とCMの質、内容で勝負すれば、モノは売れると思うんですけどね。

それが出来ないから、結果としてスポンサーがつかないということではないのでしょうか。

理由3 ロケ地不足

これは時代劇黄金期から言われ続けてきたことで、
当時も聞きました。
もちろん現在はさらに進行しているのでしょうが。

ただ、「水戸黄門」や「三匹が斬る」のような旅モノでなければ、
ロケの必要もほとんどない気がします。
それらにしたところで、現地ロケなど毎回やるはずがありません。

昔からテレビ時代劇は、同じ場所ばかり使って撮影されていたはずです。
町中はどの時代劇も、京都の太秦映画村のセットでしょうし。

たとえば初代必殺仕事人の最終回で出てくる大きな橋は、
色々な時代劇で何度も見ました。

そういう場所すら失われていっているということなのかもしれません。

理由4 人材不足

これが最大の理由だと思います。

まず役者がいない。

悪人をやっつけてスカッとさせるような役者が、すぐには思い浮かびません。

私は高橋英樹が好きでした。
代表作といえば桃太郎侍になるのだと思いますが、
「遠山の金さん」や「三匹が斬る」をよく見ていました。

暴れん坊将軍の松平健も好きでした。
番組は、当時新人だった松平を売り出すというコンセプトで企画されたと聞きます。

ハマリ役を得て、みごと大ヒットをとばしたわけですが、
そういう新人育成みたいなことを、今ではあまりやらないのかもしれません。

暴れん坊将軍は、水戸黄門のように主役を替えたら、
もう別の作品になってしまうと思わせるものがあります。
時代劇に限らず、もっとこういう作品が増えて欲しいです。
たとえば、堺雅人の半沢直樹のような。

藤田まことも好きでした。
コメディアンだった藤田が、中村主水のようなキャラクターを生み出すとは驚きです。
必殺シリーズも、主水、非主水と区分けされることもあり、
これも替えの利かないハマリ役でした。

シリーズ終了後は、「はぐれ刑事純情派」で長く活躍を続けることになります。
芸域の幅広い役者さんでした。

もうひとつドラマ制作で重要と考えているのが、

脚本

です。

ワンパターンと言われることの多い時代劇ですが、
脚本次第で良し悪しは大きく変わると思います。

「新必殺仕置人」の衝撃的な最終回は、マニアの間では語り草となっています。
裏家業の人間の末路が、みごとに描かれています。

「暴れん坊将軍」の私の考える最高傑作は、今でもすぐに言えます。
タイトルは、「十手をくださいお奉行様」だったと思います。
盗人の父親に反目する娘が、刑場に引き出される父親を見て、
最後は号泣するという話でした。感動しました。

「影の軍団・幕末編」には、歴史に実在した人物が多数登場します。
こういうのは脚本家の腕の見せ所だと思います。
幕末ファンの私は、ドキドキしながら見ていました。

あと重要な要素として、

音楽

があります。
テレビ向けの劇伴の方が、分かりやすく盛り上がれて好きです。
特に昔のものが。時代劇に限らずです。

あと演出家の力も大きいのかもしれません。
よく分かりませんが。

理由5 制作に制約

衰退の原因とまでは言えないのかもしれませんが、
少なくとも時代の変化の中で、制作に制約を受けるようになりました。

例えば、凄惨な拷問や、若い娘が乱暴されるようなエグイ描写が、
だんだん出来なくなっていきました。

言葉狩りも進みました。

視聴者への迎合もあると思います。

必殺仕事人の三田村邦彦が、劇中で死ぬ予定だったのが、
女性ファンの除名嘆願で延命しました。
ここがシリーズのターニングポイントだったと思います。
もっともこの路線変更で、シリーズは大ヒットしましたが。

何の時代劇かは知りませんが、演じる役者が二枚目だったという理由で
織田信長を殺さないでくれ、という要望があったという話を聞いたことがあります。
(当然応じられるわけがないと思いますが)

ドラマは見る者を驚かせてナンボというところもあるので、
過度に視聴者や時代にあわせるのが、必ずしもいいことではないと思います。


その他の時代劇衰退の理由として
ワンパターンなのが、人の意識の変化の中で受け入れられなくなった、
というのがありますが、それはどうなのでしょうか。
私はワンパターンが悪いとは思いません。

衰退しているのは制作?

新作は出ないし、再放送も少なくなったので、
テレビ時代劇は衰退したのだと思っていました。

ところがケーブルテレビの時代劇専門チャンネルは、
何百もの世帯と契約をされているのだそうです。

私もインターネットの時代劇チャンネルと契約しています。
ただそういうものは、マニア向けのものだと思っていました。
番組数も少ないし。

ケーブルテレビの話に戻しますが、契約者の年代は、
やはりというか、年寄りに偏っているようです。

仕事で老人ホームへよく行くのですが、
時代劇をやっている時間帯には、必ずそのチャンネルがついています。

みんな相変わらず、時代劇を再放送で見ているということです。
本放送をやらないから、衰退したのだと思い込んでいました。

しかしケーブルテレビと契約してまで、昔の時代劇を見たいとも思わないんですよ。
見れば面白いのだとは思いますが、時間も取れないし取る気もないので、
テレビで週に1本新作を見るというのが、今の私の希望です。

人材のところでは触れませんでしたが、
製作者の高齢化がすすみ、技術の伝承が難しくなっているそうです。
新聞で読みましたが、今でもたまにやる必殺シリーズのスタッフは、
テレビシリーズの頃からやっている人も多いらしいです。

ということで、テレビ時代劇の新作の制作を希望します。

テレビ時代劇は、時代考証にこだわったリアルなものである必要はないと考えています。
横文字を使うような極端なことをしなければ、
むしろムチャクチャやってほしい。

「本格時代劇」は、映画が今でも作られているので、衰退はしていません。
私が好きなのは、かつてのテレビ時代劇なのです。

それは、悪人を気持ちよくぶっとばす勧善懲悪もので、
映画化されるような文芸作品ではないのです。

将軍が町中に出て悪人を斬りまくるようなこと、
ドンドンやって下さい!

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